入浴検定合格者が語る入浴ブログ

第3話 お風呂とスキンケア

スキンケアの原点

日本人はなんてきれい好きな国民なのだろうと、感染症の流行で改めて感じました。日本人には、古くからお風呂に入る習慣もその表れではないでしょうか。お風呂に入ると肌に付いた埃や異物などを洗い流し「肌を清潔にする」ことは、スキンケアの原点だと思われます。
そこで、肌の基本構造を図解と合わせて紹介させていただきます。

皮膚の基本構造とは

皮膚内の構造

  • ●皮下組織
  • ・皮膚の最下層に位置していて、その下には筋肉が接しているところです。
  • ・主に「皮下脂肪」で構成され、断熱・保温およびクッションのような形で身体を衝撃から守るや役目も果たしています。
  • ・「汗腺」のスタート地点です。
  • ●真皮
  • ・皮膚の中心に位置します。
  • ・構成成分の大部分は、「コラーゲン」「ヒアルロン酸」などで構成されています。
  • ●表皮
  • ・皮膚の最表面に位置して、極めて薄い。
  • ・4層構造からなり、バリア機能は非常に強い。
  • ①体外からの異物の侵入を防ぐ。
  • ②皮膚の水分を閉じ込め乾燥しすぎないようにする。
  • ③外界の刺激や異物との接触などの最初の部分。
  • ・ターンオーバーという細胞の生まれ変わりが約28日のサイクルで行われている。
  • 基底層で表皮細胞(ケラチノサイト)が誕生する。
  • 表皮細胞が押し上げられるような形で、新陳代謝がおこなわれる。
  • 最後の角質層に押し上げられた時点で細胞の核(DNA)は消滅し、「死骸の群れ」となって強固なバリアになる。
  • 役目を終えた角質(垢)は剥がれ落ちていく。
  • 肌のターンオーバー周期

  • ●皮脂
  • 角質層の上には、薄い脂の膜が広がり、外部に対する第一のバリアの役割を果たしています。
  • ●常在菌
  • さらに表皮上には、全身で1兆個もの細菌が生息し、バランスを保ちながら悪玉となる細菌、ウィルス、その他の有機物などの増加を程よく防いでいることもスキンケアにおいては見逃せないポイントになります。
  • きれいな肌の3大要素

    3大要素


    きめ細かさの特長


  • ①古い角質層が、適度に剥がれ落ちている。
  • ②皮膚表面の小さな凸凹がきめ細かく均一に保たれている。

  • ■お風呂の効果
  • きめ細かさとは、「角質層のターンオーバーの状態」です。
  • ターンオーバーは、すなわち皮膚(表皮)の代謝です。
  • お風呂の効果としては、温熱作用や静水圧作用で血流を上げて皮膚に十分な栄養素や酸素を届けてくれます。
  • また、清浄作用は、古い角質を洗い流してくれます。


  • ①生まれつきの肌の色。
  • ②紫外線の影響によるメラニン色素量。(表皮の最下層に存在する)
  • ③シミやくすみなどのお肌の色素トラブル。
  • ④血液循環の状態(表皮の毛細血管に流れるヘモグロビンの状態)

  • ■お風呂の効果
  • 温熱作用や静水圧作用による血液循環が良くなります。
  • 「ビタミンC」はメラニン色素の沈着を抑え、できたメラニン色素を還元して薄くする効果があります。
  • お風呂の効果としては、温熱作用や静水圧作用で血流を上げて皮膚に十分な栄養素や酸素を届けてくれます。

  • うるおい


    うるおいは、角質層全体に存在する水分と脂分の量です。
    入浴による影響を最も受けやすく、間違った入浴方法をとりがちな部分でもあります。
    角質は表皮細胞の最終型である「角質細胞」が、レンガのように何重にも積み重なる構造になっています。
    そしてこの「レンガ」の隙間には、各細胞をくっつける接着剤のような形で「角質細胞間脂質(セラミド)
    と呼ばれるオイルでギッシリと埋め尽くされています。さらにこのセラミドの中には大量の水分が脂に囲まれるようにキープされており、それが角質層全体の水分の8割の量を占めています。
    つまり、お肌のうるおい=セラミド と言っても過言ではありません。


    肌のバリア機能


  • ■入浴で気を付けること
  • ①お湯に浸かれば角質全体が水分を吸い、潤っているように感じるのは一時的なことです。
    お風呂を出て10分で消失して、皮膚水分量が入浴前に戻ると言われています。
  • ②お湯に浸かればセラミド(天然保湿オイル)は流失します。
  • ③風呂上りの肌からの水分蒸発で、入浴前よりかえって水分が失われることもあります。
  • ④バターと同じで脂質は高温であればあるほど溶けやすくなりますから、熱いお湯の方が、皮膚の脂も流れやすくなります。
  • ⑤熱いお湯では、「ヒスタミン」という炎症や痒みの原因となる物質ができやすくなり、肌を荒らす原因になります。

  • ■おすすめの入浴方法
  • ①長風呂をしない。
  • ②一日に何回も入浴しない。
  • ③42℃以上の高温のお湯に浸からない。
  • ④お風呂上り10分以内に化粧水や乳液で肌をケアする。
  • おすすめの身体の洗い方

    以前にお風呂で頭も含めて洗剤を使わないという人に出会ったことがあります。正直不潔で少し信じられない気持ちでした。私は、特に首周りはワイシャツが汚れるイメージがあるので、ボディソープで入念に洗っていました。しかし、入浴検定公式テキストでは毎日ゴシゴシ洗う必要がなくて、逆に肌を痛めることになるということが書かれていました。なおかつアルカリ性のお湯には清浄作用があるとのことです。
    早速実践してみようと、身体を2~3日に1回ボディソープで洗うだけにしましたが、ワイシャツの首周りの汚れなど特に気になることはなく、乾燥肌が少しマシになったような気もします。たまたま私はヌメリのあるアルカリ性の入浴剤を好んで使用していることで相乗効果が出ているのかも知れません。


    入浴検定公式テキストによると、


    界面活性剤には、述べたように「脂を溶かして流す」作用があります。皮膚最上面バリアである皮脂の成分は、文字通り脂。そしてお肌のうるおいを保つために重要なセラミド(角質細胞間脂質)も脂でした。石鹸やシャンプーなどはこれらを溶かし、洗い流す作用を持ちます。そうすれば皮膚のバリアが崩れ、異物の侵入を許して肌荒れの原因となり、セラミド流出により角質層の水分が逃げだして乾燥肌を招く場合もあります。さらに皮膚表面には「常在菌」と呼ばれる細菌(バクテリア)が、なんと1兆個も暮らしています。細菌というと「病気のもと」のように思うかもしれませんが、健康である限りはこれらの細菌は悪さをしません。生息数のバランスを保ちつつ、外から来る有毒な微生物や物質などから皮膚を守るバリアの役割もしていると言われます。常在菌は、外からくる有害な微生物や物質などから皮膚を守るバリアの役割もしていると言われています。皮脂は弱酸性でこの常在菌バランスを保つ役割をしていますが、洗い過ぎなどで皮脂が極端に減ればこの生息バランスが崩れ、常在菌が有害化したり、皮膚バリア全体の機能が落ち、様々な皮膚トラブルを招く可能性もあります。皮脂は悪者にされがちですが、そもそも体内で生産されてバリアの目的で皮膚表面に出されるもので、本来は身体にとって重要なものです。反面、皮膚にとって多すぎる状態であったり、毛穴に詰まったりすると、細菌の餌となったり酸化したりして、臭いやニキビなどの肌トラブルの元になったりします。
    皮脂腺が多い場所の順番は、頭皮→顔(特に額と鼻周辺)→胸(特に上部)→背中→腕・脚
    手のひらと足の裏には存在しません。
    多くの皮膚科医の意見においては、頻繁に石鹸などを使って洗浄する必要がある部位は皮脂多い頭部や顔、粘膜がある陰部、また足の指の間や脇の下などの肌が触れ合う場所に限られるとされます。それも2~3日に1回、手で撫でるようにやさしく洗うだけでよく、さらに皮脂が少ない手足などの部位などは、同様の洗い方で1週間に1回で十分、としています。


    こすり過ぎ・洗い過ぎは、肌乾燥などのトラブルの元になる可能性があるので気を付けましょう。


    スキンケアでの注意