太るメカニズム
入浴検定公式テキストによると、
「肥満」とはそもそも何かといえば、身体を構成する組織(筋肉、骨、脳、皮膚など)のうち体脂肪が過多な状態。つまり、「体脂肪率」が高すぎる状態を指し、ダイエットはその過激な体脂肪を減らすこととなります。ちなみにこの場合の体脂肪とは、脂質細胞に蓄えられる「中性脂肪」という脂の種類のことを指します。
ところで意外と知られていませんが、「中性脂肪の合成&保存の命令」を出すシステムは身体のなかにたった一つしか存在せず、それが 「インスリン」という膵臓から分泌されるホルモンによるものです。インスリンは血糖値(血液の中の糖の量)を下げる命令を出す体内唯一のホルモンでもあります。その理由はいくつかありますが、そのうちの一つが、「エネルギー 原料 (糖)が多く摂れれば、飢えに備えてそれを貯蔵型にして 保存しておく」こと。 インスリンにより 糖が「長期保存型」に変換されたものが中性脂肪で、その主たる保存場所が脂肪細胞ということになります。
「血糖値上昇 インスリンが分泌→インスリンの命令により脂肪細胞の中に糖がしまい込まれるその糖を主たる原料として中性脂肪が合成される」これが肥満を産みだす、たった一つの体内システムといえます。
すなわち「太る」ということは、体内唯一の中性脂肪合成命令を出すインスリンの追加分泌が繰り返されることであり、食材が持つカロリー量ではなく、食後血糖値の上昇具合がキーとなります。
ちなみにカロリーを持つ栄養素は「糖質」「脂質」「タンパク質」(三大栄養素)ですが、インスリン分泌を促すものは糖質(血糖値上昇だけです。脂質は太るイメージがありますが、吸収が悪く、食べ物から摂った脂が血液中を移動中に脂肪細胞に直接取り込まれることはありません。
と書かれています。
お風呂で脂肪を減らす入浴方法
インスリンは食後30分後あたりから、多く分泌されると言われていますので、食後30分~1時間ぐらいのタイミングで40℃前後のお湯に10~15分、肩まで浸かることが、インスリン追加分泌の抑制を狙った入浴方法となります。
お風呂で「むくみ」が消える
「むくみ」のメカニズムは、血管と細胞の間は水分で満たされています。
水分は、血液に乗って全身に運ばれる栄養素や酸素などを、血管から滲み出る形で細胞に届け、血管に再吸収されます。しかし、血流が悪いと滲みだした水分吸収する能力が低下し、十分に回収できずに身体の各部位で水分が溜まり、むくみとなります。
お風呂に浸かることによって、血流が上がり、水圧で身体が圧迫されると脳が利尿作用をたらすホルモンを分泌して排泄量が増加するために、むくみ解消にとても良い効果を発揮します。
お風呂と血流とホルモン
成長ホルモン(生理活性物質)は、血液によって全身に運ばれます。お風呂に浸かることによって、血流を上がりますので、健康・美容には、ホルモンの活性化が一役買います。
運動における組織回復とお風呂
運動直後の体内は、血液を集中させ、酸素や栄養素の運搬や老廃物の回収効率を上げようとします。そのタイミングでお風呂に入ると血液は皮膚表面に集まってしまい、筋細胞の回復作業を妨げる可能性があります。また、激しい運動直後は、筋細胞がダメージを受けて軽い炎症状態となっている場合があり、お風呂で温めることで炎症を促進する恐れもあります。
入浴検定公式テキストによると、
目安としては、運動後30分~2時間以上経ってから入浴をスタートすること(運動の種類・強度・長さにもよる)同時に、筋肉が熱を持っている間は入浴を控えます。もし熱が取れていなかったり、運動直後の汗が気になる場合は、38℃までのぬるいお湯のシャワーをさっと浴びることなどで対応します。
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第5話 お風呂と泉質